縁日って何だろう?
ennichi06「縁」とは特別な繋がりという意味、「日」は日のこと。縁日とは日本人が特定の神仏との繋がりをお祀りする日のことを指し、西洋の聖人の日にたとえることが出来ます。この日に仏神の誕生又は命日をお祀りするというわけです。日本人はこの日、神社仏閣に詣で幸運と健康をお祈りするのです。この日の楽しみは境内に出る食べ物やゲームなどの屋台。これが老いも若きもを惹きつけるのです。人気の食べ物はたこ焼き、お好み焼き、焼きもろこし、カキ氷、綿菓子など。金魚すくい、お面、水ヨーヨーなどの屋台も出ます。 第14回ホノルル フェスティバルではこの縁日コーナーを設けました。そこでは金魚すくい、水ヨーヨー、綿菓子、浴衣着付け、折り紙、紙芝居、お面などが体験できます。本場日本の縁日コーナーは、若い人も心が若い人も大いに楽しめること請け合いです。

下町とは?
日本伝統の縁日は現在でも若い世代に人気があります。縁日の人気が継続してきたのは下町と呼ばれる地域で生活する人たちのライフスタイルに拠るものがあります。東京ではこの地域を古い東京と呼んでいます。文字通り「低い町」あるいは「下町」は江戸時代、江戸城、現在の皇居より下の地域を指しています。 下町は浅草、上野、日本橋、京橋、深川、両国、柴又などのエリアを総称しています。細い路地や古い日本式家屋、駄菓子屋、神社仏閣が混然と存在しており、素朴なライフスタイルの中でお隣さん町内会の隣人愛に満ち溢れた一角なのです。

映画:「男はつらいよ」寅さん
ennichi02ennichi03「男はつらいよ」寅さんシリーズの映画は東京の下町柴又で育った男の人生を描き1969年から95年頃まで日本で大変人気がありました。渥美清演じる寅さんのシリーズは48作も制作されました。流れ者のテキヤ寅さんは酒好きでたくさんのマドンナに惚れる、こんな無責任ながら独特な生き方に観客はすっかり魅了されました。ギネスブックでは寅さんは同じ俳優が主役を演じた映画では一番の長寿シリーズであると記録されています。 寅さんは怪しげなヒーローです。怠け者で学歴も低い、独身ですが格好よくもありません。 薄汚いベージュの背広を着て、安物のガラクタを屋台で行商しているよりも寝ているか酒を飲んでいる方が多い。労働中毒の国民として知られた日本で、寅さんのようなボヘミアンライフスタイルは現実逃避の魅力があると日本映画専門家キャサリン・ラッセル(コンコーディア大学メル・オッペンハイム・スクール・オブ・シネマ教授)は言っています。「彼は日本企業のサラリーマンが手に入れられない何かを代表しています。彼は体制に属していません。しかし、彼には帰れる場所があるのです。」
寅さんは目的も無く旅を続けますが、旅心にはそれのどの未練はないのです。外の世界で何が起きようと、彼は生まれ故郷、東京郊外の小さな町柴又で、おいちゃん、おばちゃん、妹が経営しているちっぽけな甘いもの屋に帰ってくるのです。柴又では隣近所は遠い親戚のようなものです。 映画は現代の日本を舞台にしていますが、勤勉で誠実な寅さんの友達や家族はもっと素朴だった時代の日本人像のように見えます。どのエピソードも似たようなストーリーラインですが、観客は絶対飽きずに見続けるのです。

縁日+下町+寅さん
ennichi01さぁ、「縁日」「下町」「寅さん」の説明が終わりました、ここでもう一歩進んで寅さんと縁日の関係を説明いたしましょう。 寅さんは行商人として日本中を放浪しながら、あちこちの縁日で商品を売りながら生計を立てています。このような行商人が“テキヤ”と呼ばれる人たちです。 第14回ホノルル フェスティバルではこの縁日の雰囲気を再現いたしました。 現在でも寅さんのようなテキヤが日本中の縁日で行商して生計を立てています。これも興味深い日本の文化の一面であり、ホノルル フェスティバルは皆様とシェアしたいと願っています。

[ インタビュー:吉田照子さん (前ホノルル フェスティバル広報担当) 「下町で育った思い出」]