ホノルル・フェスティバルの学習プログラムの一環として、毎年、地元ハワイ(オアフ島)の学校を対象に開催されている教育プログラム(エデュケーショナル・スクール・ツアー)が2008年3月14日(金)に開催されました。
今年は、ハワイのウィルソン・エレメンタリー・スクールから71人、グッドウィル学校から7人、ルーセラン高校から51人、セント・アンズ・モデル・スクールから27人の生徒の皆さんと保護者の方々、そして先生方が参加し、今回フェスティバルに参加の環太平洋の国々の文化に実際に触れ、見たり、聞いたり、参加しながら楽しく学びました。
このツアーで子供達を迎えたのは、日本の「杉並かるた会」、「エコ布ぞうりサークル」、オーストラリアの「ディセンダンス」、台湾の「九族文化村」、ホノルル大蛇山、そしてJCCH 日本文化センターの皆さん。生徒たちはいくつかのグループに分かれ、日本、オーストラリア、台湾、フィリピンの伝統ダンスや文化を体験していきました。
日本のかるた体験(百人一首)では、子供たちにもわかるようにと、ローマ字で書かれたかるたカードを用意し、ルールの説明をした後、かるた大会を行いました。カードを囲み、読まれるカードを必死に探す姿はやはり万国共通。かるた初体験の子供たちをまとめるのが大変そうでしたが、かるたに夢中になっている姿に「杉並かるた会」の皆さんも大変喜んでいらっしゃいました。
「エコ布ぞうりサークル」の皆さんが作っていた布のぞうりは、とても珍しかったらしく、先生のほうが生徒さんより真剣に「ロープを2本と古いTシャツとかを利用して作ればいいのね」と何度も作り方を確認していたほどでした。中には一生懸命編むあまりに、ぞうりの幅が細くなってしまってい、「硬く編むと細くなってしまうわよ」と言われている生徒もいました。ハワイの人の多くは日頃からビーチサンダルを履くので、ぞうり自体にも親しみがあり、ぞうり作りにはとても興味があったようです。
オーストラリア「ディセンダンス」は、原住民アボリジニのダンスを子供達の目の前で披露。伝統民族楽器ディジュリドゥの音に合わせた独特の動きをとても興味深く見入っていました。
一緒に踊りたい子供を集うと、元気に手を上げる子供達。アボリジニ特有のフェイス・ペインティングをしてもらい、なかなか音の出ないディジュリドゥを一生懸命吹いてみたり、魚の踊りやカンガルーの踊りをディセンダンスの皆さんと踊り、子供達にとっても貴重な体験となったことでしょう。
そして、同じく原住民の踊りを披露した台湾の「九族文化村」の皆さん。ヤリと籐のボールを使った古くから伝わる遊びを子供たちに体験してもらい、最後は全員で手をつないでダンスをしました。一緒に踊る先生や保護者の方も、この時ばかりは子供に返ったように楽しく踊っていました。
フィリピンからはカガヤン州立大学パナダマン・ダンス・グループが参加。竹を使ってリズムカルに踊るフィリピンのフォークダンス体験は、2本の竹が左右に動く間を足を挟まれないように上手に飛ぶだけでもなかなか難しかったらしく、飛んでいる時の真剣な顔と終わった後のホッとした顔がとても印象的でした。
その他に、御輿や大牟田大蛇山の展示もありました。それらを見ながら日本のお祭りについての話を聞いたり、「わっしょい!わっしょい!」と御輿の担ぎ棒を持って御輿担ぎの疑似体験をしたり、自分で布にスタンプを押してオリジナルのハチマキ作りを体験したりと、日本のお祭り文化についても学びました。
生徒たちにとって、見るもの聞くことが初めてのことが多かったこともあり、目をキラキラさせていました。そして、学校の先生や保護者の皆さんは、子供たちが様々な文化に触れることができてとてもいいプログラムだと感激していました。
このスクールツアーに初めて参加したというセント・アンズ・モデル・スクールの先生にそのきっかけを聞いてみたところ、「生徒の中にナイジェリアからきた子がいて、その子を通じて子供達は異文化を感じるようになったので、このプログラムに参加すればまた違った文化に触れることができるのではないかと思って。今日ここに来て、子供達はとても良い経験をしているわ。」とおっしゃっていました。