左から 大牟田大蛇山「ホノルル大蛇山を支援し大蛇山を世界に発信する会」副会長の堤氏、顧問の宮崎氏、会長の河野氏、ホノルル・フェスティバル財団 常務理事の渡辺、日本事務局次長 大久保 (2009年3月13日 ハワイコンベンションセンターにて)

左から 大牟田大蛇山「ホノルル大蛇山を支援し大蛇山を世界に発信する会」副会長の堤氏、顧問の宮崎氏、会長の河野氏、ホノルル・フェスティバル財団 常務理事の渡辺、日本事務局次長 大久保 (2009年3月13日 ハワイコンベンションセンターにて)

大蛇山は「大牟田の宝で力」、そして世界に誇れる祭り

daija_watanabeワタナベ: 私が初めて大蛇山(だいじゃやま)にお目にかかったのは2003年でした。2003年のホノルル・フェスティバルのパレードに大蛇山の山車が出た時です。それを見た時、のりやすいリズムとその迫力にすごく感激しました。こちらでは大蛇山を “火を吹くドラゴン” と呼んでいるんですが、まさしく火を吹く姿に涙が出るほど感動しましたね。私は小さい時からハワイに住んでまして、日本でのお祭りというのが分かっていたようで分かっていなかったなぁと感じました。
そして、昨年、2008年に大牟田(おおむた)まで大蛇山を見に行けるチャンスがありまして、まさしくこれが本当の大蛇山なんだなぁと。

daija_paradedaija_kawanoカワノ氏: どもはこのお祭りを「大牟田の宝で力」だと思っているんですね。去年(2008年)から、ホノルルでの大蛇山に「ホノルル大蛇山」という名前が付きまして、「大牟田」から「ホノルル」に変わりました。これを機会にホノルルから、全米、あるいは世界に向けて発信して、この祭りを「世界の祭り」にしたいと思っています。

大蛇山は世界でも誇れるような「形」、「動き」、「楽(囃子)」があります。それと、夜になると火を吹きます。これだけの要素がつまった祭りは日本の中でもまずないですね。動きがあっても光がない、光があっても動きがない、形がない、山車がない。大蛇山のようなこんなに凄いお祭りを今まで放っておいたことは我々の責任だと・・・。

daija_tsutsumiツツミ氏: 私は大蛇山というのは「無冠の帝王」だと思っているんです。知名度という面では、他の名だたる全国の祭りに遠く及ばないと思います。しかしですね、ひと度見ていただければ観客の皆さんの心を鷲づかみにして離さない、光だとか音だとか、あるいは迫力だとか、高水準の素晴らしい素材が融合したものだと思います。

daija_img1daijya_miyazakiミヤザキ氏: そうですね、日本にはブランドのしっかり付いたお祭りがいろいろあります。今、二人がお話しましたように、そういう面において今一歩及ばずというのが今までの大牟田の大蛇山であったかなと思います。ですが、今までの歴史的発展をいろいろと見てみますと、よそのブランドに負けないだけのしっかりした“歴史の裏づけ” があるんです。それが時を経て、今度は海を越えて、ホノルルまで参りまして、こうやって皆さんと一緒にこれからお互いに協力して素晴らしいものに育てていこうと。この熱意が必ずや今後、益々発展していく源になるんじゃないかと思っています。
少々余談になりますが、長い歴史の中で「島原の乱」の時に当時大牟田を治めていた柳川立花藩から出兵していった人たちが非常な手柄を立てたということで、当時の将軍家からお褒めをいただき、加増いただいて、そこで一段とヒートアップしたという歴史があって、「楽」ひとつとっても、大蛇が出て行く時は非常に勇壮な楽で、帰って来る時の楽は、戦場で戦死し、あるいは傷ついた人たちを慰め弔う鎮魂の楽になるというようにですね、同じ「楽」でも微妙にそういう変化があるんですね。
また、第二次世界大戦で中断したものの、また立ち上がって、それが現在ここにつながって来ていると思っていますので、そういった歴史を無駄にせず、歴史に学びながら、ここらから更に一段とエネルギーを注入して、“世界の大蛇山” へと育てていきたいと思っています。

daija_tsutsumiツツミ氏: ホノルルでお見せしているホノルル大蛇山のパフォーマンスは、大きく花開こうとしていますが、例えて言うならば、地表から上の部分、つまり花が開いている部分、すごいエネルギーを感じる部分をお見せしていると思っています。
しかしながら、それと同時に日本においてはですね、神事、地域の精神文化と密接に絡みついてまして、地下の部分では、地域の行事、コミュニティーや子供会とか、そういったところでの「躾けの場」にもなっています。竹を切り、紙を貼り、いろんな制作の過程で、おじいちゃん、おばあちゃんからの教えを子供、孫が受け継いでいく、その過程が花開く地下の部分にあるのです。
ホノルルで大蛇山に興味をもたれた方は、毎年7月の末、最終の土日に大牟田市で、地表の部分も地下の部分も両方見ていただけるかと思いますので、ぜひとも大牟田へお越しいただきたいと思います。

daija_kawanoカワノ氏: 堤さんが仰ったように7月の最終の土日が大蛇山のお祭りなんです。
去年は、大久保さん、渡辺さんに来ていただいたんですけども、多分ビックリされたんじゃないかなと思います。あれだけの迫力で祭りが行われているというのは、実際に見ていただかないと全くわかりません。ぜひハワイの方、ひいては全米から大牟田にお越しいただければ、その一端をお見せできるんじゃないかなと思っております。
ホノルルでお見せしているのは一つの山ですけれども、大牟田では各神社、古来の神社が六つありまして、その神社が一つずつの山車を持ってまして、六つの山が揃って競演します。

daija_tsutsumiツツミ氏: 大蛇山は祇園の祭りなんですが、祇園のお祭りは作り置きをしない、最後は華々しく散ってしまうというのがセオリーとしてあってですね、大蛇山もその例外ではありません。
数ヶ月掛かって作った大蛇を一瞬のうちに壊してしまいます。それぞれ神社、神社によって壊し方が違って、子供に登らせて壊してしまう、あるいは、燃やしてしまう、いろんな散華の仕方があるんですけど、これも優れた日本的精神文化だと思います。一生懸命作ったものを一瞬にして壊し清めてしまうというこの精神文化もぜひ見に来ていただきたいと思っております。

5年後に大牟田大蛇山とホノルル大蛇山の競演を実現したい

daija_watanabeワタナベ: ご存知の通り、大蛇山は常にホノルル・フェスティバルのグランドパレードのとりになっていて、ホノルルの人たちもこれを楽しみにしています。
2年前に一度、山車が出なかったことがあったんですが、その時はやっぱりパレードの会場にいた皆さんから「え?大蛇山ないの?今年は・・・。」という声が聞こえてくるんですね。大蛇山が出ることは当然だと、“ホノルル・フェスティバル=大蛇山”って思われているんです。

daija_img4今は大蛇山が出ることで “うれしい問題” がちょっと起きてまして・・・その問題が何かと言いますと、大蛇山が出てくるとあの光とあの迫力に周りにいる人たちが道の中に入って来ちゃうんですね。それで、それをかき分けるのに非常に苦労してるという状態なんです。それだけ皆さんが楽しみにしているってことなんですが。

アメリカにもニューヨークのメイシーズパレードのような有名なパレードがいくつかあるんですが、河野さんが言われたように、あの迫力やあのような山車はないですから、「ホノルルでそういうものができるんだ!」ということと、「ホノルル・フェスティバル=大蛇山」という認識をもっともっと強く作り上げていきたいというのが我々の情熱です。頑張っていきたいと思います!

daija_img2daija_kawanoカワノ氏: 大蛇山の山車が出ないパレードを悔しい思いで本部席で観てました。本当に寂しかったですね。悔しかったですね。
その悔しい思いを堤さんがぶつけて、再び運行できたと思っています。これは長く続けていきたいと、また、いかなければいけないと本当に思っています。

daija_watanabeワタナベ: ホノルル・フェスティバルとしては、今後、ホノルル大蛇山を全く知らない人に伝えていきたいということがあります。大蛇山の知識を英語を主体に色々な形で紹介していくことで、大蛇山っていうのは何であるかということから、どんどんどんどん知名度を高めていきたいと思っています。

daija_okuboオオクボ: ハワイでも子供の頃から大蛇山に親しんでもらおうということで、今回、小さなサイズの「チビッコ大蛇山」を譲り受けまして、ホノルル・フェスティバルの記念すべき第15回となる今年にデビューしました。

daija_watanabeワタナベ: それから、大蛇山の意味を分かって欲しいというのがあるんですね。ハワイで生まれて育って日本語が出来ない人たちが殆どですから、英語で、または分かる言葉に変えていくことで内容がわかってくる、そうすると、来年、再来年に向けてボランティアの数も自然に増えてくると思うんですね。で、そうすると今度は参加することによって意味も益々分かってくると思うんです。
英語でできるだけ理解を深めてもらうということと、それが分かった後で、大蛇山の組み立てやパレードに参加してもらう、力をいれていきたいと思っているのはそこなんですね。

daija_img3daija_tsutsumiツツミ氏: ホノルルでの大蛇山を支えてくれるボランティアさんの芽がもう既に出ていまして、自分の仕事を休んで手伝ってくれる消防士の方とか、あるいはトラックの運転手の方とか、そういった方たちがいます。
中心になるのが地元ハワイの福岡県人会の方、一世、二世、三世含めたところでの中核の方がいらっしゃいますんで、その方たちをコアにしながら雪だるま式に増えていけば、我々としましても、車の両輪となってそれを大きくしていきたいと思っています。
土壌を作っていただいているので、それを側面から、あるいは正面から支えていきたいと思っています。

daija_kawanoカワノ氏: 去年、大久保さんと話をしていたんですが、5年後、ホノルル・フェスティバルの20周年のアニバーサリーに、ホノルルに根付いたホノルル大蛇山をホノルルの人たちに運営していただいて、大牟田から大蛇を持ってきて競演、これをぜひ実現したいと思っております。その折には、それぞれの違いがはっきり分かりますし、迫力満点のお祭りになるんじゃないかなと思っております。ぜひ実現させたいと思っています。

daija_tsutsumiツツミ氏: そうですね。じゃ、ひとつ定年を延長していただいて・・・よろしくお願いします。

(全員笑)

Group members who support the Honolulu Daijayama

ホノルル大蛇山を盛り立ててくださる皆さん

毎年7月の第4土・日曜日に開催
大牟田大蛇山
daija
毎年40万人以上の人出で賑わい、全長10メートル以上にもなる大蛇山の山車が何百人もの曳き手によってひかれ、大牟田の町を練り歩きます。その山車の数は十数山にのぼり、その活気と迫力に圧倒されます。大蛇たちが火を吹く様は、観る人の心を揺さぶり、興奮と感動を与え、会場を一気に盛り上げます。ホームページ: http://www.sekoia.org/daijya.htm


ホノルル・フェスティバルでは、大蛇山のような日本の素晴らしいお祭りの参加をお待ちしています。
[ 参加ご興味のある方はこちらへ ]