去年に引き続き、今年のホノルル・フェスティバルの中で最も子供たちに人気が高かったのは縁日でした。今年も、ヨーヨー、金魚すくい、射的、輪投げ、わた菓子、剣玉などの遊びが用意され、親子づれ、カップル、子供達などの様々な観客で賑わいました。
子供たちだけでなく縁日のスタッフたちも気合いが入っていて、金魚すくい担当の樋口佳明さんは「この2日間で2千匹の金魚を用意しました。たくさんの子供たちに来てもらいたいです」と話していました。
子供たちの多くは、縁日コーナーの端から端まで全ての遊びを体験しているようでした。
金魚すくいでは、素早く泳ぐ金魚をすくおうと一所懸命に追いかける子供たちの姿が見られ、剣玉は他の遊びに比べて難しかったようで、ボールを剣に入れようと何度も挑戦する真剣な子供たちの姿が多く見うけられました。
また、今や日本でもあまり見かけなくなった竹とんぼのコーナーもあり、子供達はその竹とんぼを思い思いにペイント。飛ばし方を教わりながら飛ばし、会場にはいくつものカラフルな竹とんぼが舞っていたのでした。
折り紙コーナーでは、参加グループの一つである 大牟田大蛇山の大蛇を折るという大変高度なものから既に線が書いてあって、その通りに折っていく初心者向けのものまでいろいろあり、子供から大人までそれぞれ興味のあるものに挑戦。完成した時のとてもうれしそうな顔が印象的でした。
射的コーナーからはコルクの弾を撃つパンパンという懐かしい音が休みなく響き、列ができるほどの人気ぶりでした。
お父さんの肩ぐるまでうれしそうに太鼓を叩く子供、わた菓子を握りしめる子供達やヨーヨーをたたきながら歩く子供達、日本の縁日で見かけるような微笑ましい光景が会場いたるところで見られ、縁日の風情がかもし出されていました。
また、会場ではカピオラニコミュニティーカレッジ 日本文化学科のリンダ フジカワ助教授の「縁日」についての講演が行われました。
講演は同大学の生徒と共に行われ、日本人も知っているようで知らない縁日の本来の意味、読んで字のごとく「ご縁の日」、ひいては「宗教の違いを越えた人とのつながり」ということについて説明。また、「縁日は、本来、神社で行われる行事で、神社の宗教は神道。神道では万物に精神が宿るとされていて、全ての命がつながっています。この点においてハワイアンスピリットのコンセプトにも共通しています。縁日でご縁を結び、交流を楽しんで下さい!」とまとめ、最後は観客と共に三本締めで締めくくりました。
先生の明るい笑顔と分かりやすい説明、生徒達の力の入ったアシストにより、日本の「縁日」という伝統文化を多くの皆さんに知っていたいただける機会となりました。
そして、リンダ フジカワ先生がおっしゃったように、縁日コーナーは、ハワイに暮らしている日本人の方やハワイのローカル、また観光客の皆さん、誰もが国籍を越えて楽しめる交流の場所となったのでした。