ホノルル地元ボランティアの皆さんの手によっておおむた大蛇山が目を覚ます
2009年3月13日(金)朝のハワイ・コンベンションセンター。ホノルルの福岡県人会の方々を中心にボランティアの方10名ほどが集まって、ホノルル・フェスティバルのハイライトの一つであるホノルル大蛇山の頭の部分の組み立てが行われました。
また、ちょうどその日は、地元オアフ島の小・中・高校の生徒達を招いての教育プログラム(エデュケーショナル・スクール・ツアー)が行われた日。大きな大蛇山の頭を前に子供達は興味深げに説明を聞いていました。
大蛇の頭部分は全て竹と紙で作られています。本場福岡県の大牟田では、本来、お祭りが終わると厄除けのため頭の部分は全て燃やすなどして壊してしまうとのことですが、ホノルルでは、ホノルル・フェスティバルの開催までホノルル空港にほど近いサンドアイランドにある倉庫の中で眠っています。年に一度倉庫から出てきて、ワイキキで火を噴き大暴れをするのです。
この日の夕方には大牟田から大蛇山の組み立てのプロたちがやってきて、組み立ての最終チェックを行うとのことでした。以前は、大牟田の方が来て全て組み立てていたそうですが、今年から頭の部分は、福岡県人会の方を中心に地元ローカルのみで組み立てを行いました。大蛇山の組み立て方からはじまり、大牟田の伝統が着々とハワイに住む人々に伝わっているようです。
地元ボランティアを交えてのパレードのための練習は真剣そのもの
3月14日(土)の午後、コンベンションセンター内のとある場所。太鼓の音が聞こえてきました。そこでは、翌日のパレードに備えて、日本の大牟田大蛇山の方が、地元ホノルルの参加ボランティアの人に太鼓や半鐘のたたき方を教えていました。そこには言葉の壁は全く感じられず、大牟田の方が丁寧に教え、それを真剣なまなざしで聞き、理解しようとしている姿がありました。大牟田からやって来た子供達が数人いましたが、小さな子供といえどもホノルルの人たちにとっては大先生。お手本となって練習に参加してくれました。
大蛇山で忘れてはならないのが「女神輿(おんなみこし)」。大蛇山祭りは、元は男達のお祭りで、女性は山車(だし)にも乗れず、触ることも許されなかったとのこと。そこで、山車のまわりで踊り、「女神輿」として祭りを盛り上げる重要な役割をしたのが女性たちなのです。ホノルルでも女神輿がホノルル大蛇山を盛り立てます。威勢のいい掛け声と共に扇子を翻し踊るその様は、まさに男達の操る山車を応援するかのように控えめながらも力強く、雅びで存在感のあるものでした。
大掛かりな山車の組み立ては実に繊細
ホノルル・フェスティバル最終日、3月15日(日)の朝。フェスティバルの最後を飾るグランドパレードの会場となるワイキキのカラカウア通りに程近い場所で、大蛇山の山車の組み立てが行われていました。
今年は福岡から約20名ほどの方が実際にホノルルを訪れ、ホノルルの福岡県人会の方や大蛇山のボランティアの方と一緒に大蛇山の山車の組み立てからパレードの参加までを行いました。
組み立ての工程で難しいのは、組み立てた後の微調整で、少しでも部品と部品の間にすき間やズレがあると、きれいな形ができないということでした。少しずつ部品を押したり、引いたり、叩いたりしながら、すき間をはめ込む細かい作業が行われていました。
大蛇の頭と大きな山車に、道行く人たちは足を止め、興味深そうに見入っていました。
フェスティバルのグランドパレードのフィナーレはやっぱり大蛇山!
パレードの最後を飾るのはホノルル大蛇山。今年は、チビッコ大蛇山というホノルル大蛇山より小さなサイズの子供大蛇も一緒に登場です。
大蛇山は総重量2トンを超える巨大な山車。遠くの方からかすかに聞こえてくる半鐘の音がだんだんと大きく近づくにしたがって、心が揺さぶられるかのようにワクワクドキドキしてきます。
明るく光る花火の火。勇壮な大蛇が火を吹き煙を撒き散らしながら近づいてくるその姿が見えると、観客の方々から盛大な歓声が湧き起こり、パレードも最高潮に達しました。
巨大なその出で立ちは、まさにホノルルの夜を暴れる大蛇そのもの。観客の皆さんも圧倒され、子供たちは口をぽっかりあけ、驚きを隠せない様子でした。
そして、大蛇山の火が静かに消えると共に第15回ホノルル・フェスティバルもフィナーレを迎えたのでした。
また来年までしばしのお別れです。
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