いよいよ第16回ホノルル・フェスティバルの始まりです。
初日となる3月12日(金)には、地元オアフ島の学校を対象にした「教育プログラム(エデュケーショナル・スクール・ツアー)」がハワイコンベンションセンターで開催されました。
参加した生徒の皆さんは、ホノルル・フェスティバルの準備の様子を見学しながら、今回のフェスティバルのために環太平洋の国々から集まった一部のパフォーマーの皆さんと交流し、様々な文化があることを学び、それらを実際に体験しました。
会場では、飾られた神輿を前に日本のお祭りと神輿に込められた日本人の思いや歴史についての説明や、ホノルル大蛇山の大きな頭が組み立てられていく様子の見学と大蛇山についての説明が行われ、生徒達はそれらの話を真剣なまなざしで聞いていました。
そして、環太平洋の文化を紹介する代表として、オーストラリアの原住民アボリジニの楽器と踊りを紹介する「ディセンダンス」が参加。オーストラリアの自然や生き物と深く関わったアボリジニの文化を踊りと共に伝えました。
また、アラスカから参加の「アラスカ ネイティブ ヘリテイジセンター」は、アラスカ原住民の衣装や楽器、ダンスを紹介し、初めて見る毛皮の靴や太鼓にそっと触れさせてもらった子供達の顔には笑顔がこぼれていました。
生徒達にとって、アラスカの踊りは馴染みのあるフラやよく見るダンスの動きとはひと味違ったようで、その独特の美しい動きにひき込まれるかのように見つめていました。
日本からは、「風だまり」、「太鼓塾 三八禧」、「太鼓小僧」、「和太鼓豆桜」 の4つの太鼓演奏のグループが参加。同じ太鼓でも、グループによって、太鼓の形、音が異なり、大きさも小さなものから大きなものまで様々。それらが会場の至るところから鳴り響き、会場全体が太鼓の振動で震えているようでした。
興味深そうに和太鼓の演奏を聞いてたマリノール高校のミズムラ・リエ先生は、「益々グローバルな世界になっている昨今、このツアーは生徒たちが世界は広くて様々な文化があるということを実体験できる貴重な機会です。無料で地域に貢献しているという意味でも、素晴らしいプログラムです。」とおっしゃっていました。
また、「太鼓小僧」と「和太鼓豆桜」のチームと一緒に太鼓を叩いていた女子高生マリッサさんは、実際に太鼓を演奏できたことや、日本文化に触れることが出来て、とても楽しかったと笑顔で答えてくれました。細い腕を思いっきり高く振り上げながら皆と一緒に太鼓を叩く姿からも、その楽しさは伝わってきました。そして、「明日からのホノルル・フェスティバルにも行きます!」と元気よく言って帰っていきました。
今回は、今までになく太鼓のグループが複数参加しましたが、どのグループも人気があり、「風だまり」で太鼓を教えてもらって叩いていた語学学校の学生さんの一人は、先生の「はい、終わりー!次、行くよー!」の声に「このまま、ここにいた~い!」と叫び、無理やり友達に引っ張られていくという場面も見られました。
全ての太鼓グループで共通していたのは、太鼓を一緒に叩くと皆が顔を見合わせ、笑顔になって一つになるということ。太鼓が言葉を超えたコミュニケーションの力を生み出していました。
このように、今回の教育プログラム(エデュケーショナル・スクール・ツアー)は、主に日本、オーストラリア、アラスカの文化に触れてもらう機会となりました。
会場に一緒に来ていた親御さんの一人は、「世界中を旅行するのは難しいので、こうして世界各国の文化を体験できて、学べるチャンスがあるのはとても素晴らしい」とおっしゃっていました。