2013年3月2日(土)はハワイ・コンベンションセンターとワイキキ・ビーチ・ウォーク、3日(日)はそれに加えてワイキキのDFSギャラリアでパフォーマンスが繰り広げられました。今年はアラモアナセンターのセンターステージが改装工事中だったため、その3箇所でのステージとなりました。
今年も、オーストラリア、台湾、韓国、そして日本など環太平洋の国からの参加がありました。学校単位での参加も多くなり、ますます若い人の参加が増えています。自分達がパフォーマーとして出演するだけでなく、異文化体験、文化交流ができ、学生の皆さんにとってもいい経験となっていることでしょう。
ホノルル・フェスティバルで毎年多くの人が楽しみにしているオーストラリアの先住民アボリジニのステージですが、今年は新しいグループが参加し、アボリジニだけでなく、オーストラリアの北、パプア・ニューギニアとの間に位置するトレス海峡諸島の民族の歌と踊りも披露してくれました。オーストラリア本土の赤土の荒野を思わせる力強いアボリジニのダンスと、それとはまた少し違った羽飾りとカラフルな衣装のゆったりとした踊りを観て、同じオーストラリアでも、全く印象の違う歌と踊りが守り伝えられていることを初めて知った人も多かったのではないでしょうか。
オーストラリアのアボリジニと同様、日本の先住民族のひとつである北海道のアイヌの皆さんも伝統の踊りを見せてくれました。アイヌの衣装は独特の模様が描かれた芸術そのもの。また、アイヌの古式舞踊はユネスコの世界無形文化遺産にも登録されています。弓を空に向けて上げたり降ろしたりする踊りは、狩に来た男が美しい鳥を見つけ、射ろうかどうしようかと迷っている様子の踊りだそうで、自然を敬い、共に生きてきたアイヌの生活が感じられました。
ホノルル・フェスティバルのステージで次々と繰り広げられるパフォーマンスを見るだけで、その国々への関心が広がり、いくつもの国へ行ったような気分になります。大切に守り伝えられてきた各国、各地域の伝統芸能に感銘を受け、また、この日のために練習を重ねてきただろう熱い思いの込められたパフォーマンスに感動し、会場は惜しみない拍手と笑顔にあふれていました。
今年もまた、世界的に人気のリゾートであるホノルルに集まった多くの人々が、ハワイや日本をはじめとする環太平洋の国々のすばらしいパフォーマンスをこのホノルル・フェスティバルで目にし、それぞれの国に帰ってから多くの人に伝えてくれたことでしょう。