2013年3月3日(日)、第19回ホノルル・フェスティバルの最終日を飾るグランドパレードがワイキキのカラカウア通りにて行われました。
夕方4時をまわる頃、カラカウア通りにはたくさんの人が集まり、賑わい始めました。パレードのスタート地点となるカラカウア通りとサラトガロードの交差点付近、ワイキキ・ショッピングプラザの前、モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパの前、そしてパシフィック・ビーチ・ホテルの前の4ケ所のパフォーマンスエリアでは、パレードが始まるまでの間、パフォーマンスが行われ、沿道の人たちの目を楽しませてくれました。
これらのパフォーマンスも終わり、ひと息ついた頃、ワイキキの町に響き渡るオートバイの音が聞こえてきました。パレードを先導するホノルル警察のバイク隊のオートバイの音です。この音で、待ちわびた沿道の人たちは道路に身をのり出すようにパレードが来る方向に目を向けました。オートバイの音に混じって、遠くからマーチングバンドの音が聞こえてくると、「いよいよパレードが始まった!」というワクワクした気持ちが高まります。
今年のパレードのグランドマーシャルは、カーク・コールドウェル ホノルル市長。ホノルル・フェスティバルの半被を着て、にこやかに手を振りながら長いパレードのコースを歩いていました。その後には、ミス・コナコーヒーやミス・チェリーブロッサム(桜の女王)などハワイの美人コンテストで選ばれた魅力的な女性たち、マーチングバンド、日本の御輿、中国のドラゴンダンスやライオンダンス、そして、フィリピン、韓国、サモア、オーストラリアなど各国の伝統的な民族衣装を身にまとった人たち、ダンスをはじめとする様々なパフォーマーの皆さんが続きました。
パレードも後半が近づいてくると、大きくインパクトのあるものも増えてきます。さいたま竜神まつり会の竜神は、このパレードの中でも最も高さのあるものです。空に向かって今にも飛び立ちそうな竜神を下で操り、掛け声と踊りで盛り上げます。時折、竜神が沿道の観客席に向かって突進し、会場を盛り上げてくれました。
そして暗くなり始めた頃、日本の夏祭りを思わせるお囃子の音と共に、やわらかな灯りのともったすもう御輿や弘前ねぷたの山車が姿を現しました。弘前ねぷたの山車の大きな灯篭の絵は、この日のために絵師が一人で描きあげたものです。描かれる絵の多くは三国志や水滸伝の武者絵を題材にしており、今年は、水滸伝の「花和尚奮戦之図(かおしょうふんせんのず)」が描かれました。
パレードの最後を飾ったのが、花火と白い煙を噴き、大きな頭を左右に振りながら近づいてくるホノルル大蛇山です。ホノルル大蛇山の迫力とお囃子の音はパレードを最高潮にまで盛り上げ、観客に祭りの興奮と感動を残したのでした。
そしてその興奮がさめやらぬ頃、ワイキキビーチ沖で今年も新潟県の長岡花火が打ち上げられました。ワイキキビーチには大勢の人が集まり、共にワイキキの空を見上げて日本が誇る長岡花火を観賞したのでした。
長岡花火は、もともと第二次大戦終戦直前に長岡市が受けた空襲の犠牲者への慰霊と復興のために始まった花火で、「平和への願い」が込められた花火です。その平和の象徴とも言える長岡花火を第19回ホノルル・フェスティバルの締めくくりに世界中から集まった人たちと一緒に見られたことは、ホノルル・フェスティバルが目指す民族や世代をこえた文化交流からはじまる平和への一歩にまたつながったように思います。