2015年3月6日(金)、第21回ホノルル フェスティバル初日を迎え、最初のイベントとしてエデュケーショナル・スクール・ツアーが行われました。
エデュケーショナル・スクール・ツアーはホノルル フェスティバルの舞台裏を見学する、現地の学生を対象としたスクールツアーです。オアフ島内の幼稚園~高校生までの各学校の生徒達約1,500名が集結し、世界の様々な文化に触れ、体験し、楽しく学んでいくもので、次の20年でホノルル フェスティバルがテーマとして取り組む「交流文化」「教育」「環境」の3本柱のテーマのうち「教育」のフィールドでのイベントとなります。
フェスティバルに出演するため世界各国から集まったアーティストやパフォーマー等の数多くの団体の内、約20の団体が、独自の文化を伝えるため、会場となるハワイ・コンベンション・センターで子供たちを迎え入れました。例年参加の団体に加え、「ゆるキャラ・コーナー」「絵本の読み聞かせ」「オリオリウォーカー展示乗車体験」「ポリネシア・カルチャー・センターの体験コーナー」などが新しいプログラムとして登場しました。
ます会場に到着した子供たちは少数のグループごとに、スタッフやボランティアのアテンドのもと各団体のブースを順々に回っていきました。
最終日のグランドパレードでの山車を控え、ハワイ・コンベンション・センターに展示された巨大な「大蛇山」頭部に学生や子供たちは興味津々。
火を吹く大蛇(ホノルル大蛇山を支援し、大蛇山を世界に発信する会)は福岡県大牟田市からやってきました。民話によると大蛇は農地を潤し、子供の健康を守る水の神と言われています。子供たちは、大蛇山の山車を引く時の「ヨイサー!ヨイヤサー!」の大きな掛け声を、少し恥ずかしそうに発声しながらも互いに写真を撮り合い、大蛇山への関心を示していました。
見た目にも興味を惹くオーストラリアの”JARAN アボリジナル アンド トレス ストレイト アイランダー ダンスカンパニー“のブースは、珍しい楽器とフェイス・ペインティングが大人気。我も我もと、顔にペインティングしてもらっていました。
毛皮のブーツが印象的な民族衣装レガリアをまとった”アラスカ・ネイティブヘリテージセンター“のブースでは、みんなでアラスカの伝説・物語・生活を表現したネイティブダンスを踊り、独自の文化を伝えました。
楽器や衣装、フェイス・ペインティングに込められた意味の説明を聞き、異民族文化を学びました。
海女さんの格好をしているのは、韓国からやってきた”済州大学ヘニョ イン アス“です。海女さんが使用する道具を英語、韓国語の言葉やイラストを用い、クイズ形式で子供たちに伝えました。
正解すると済州名産のタンジェリンチョコがもらえるので、子供たちは大盛り上がり!
さらに日本文化では、伝統的な茶道(裏千家)、いけばな(いけばな草月流)、和太鼓(太鼓小僧)を体験。
きちんと着こなされた着物とお茶を点てる時の独特の世界観に圧倒されたのか、幼い子供たちは静かに、そして不思議そうにその成行きを見守っていました。
実演が終わり、室内を包み込んでいた”凛”とした空気がとけた瞬間の子供たちのほっとしたような、もう少しこの緊張感を感じていたいような、なんとも言えない表情が印象的でした。
また、いけばなと言えば、少し形式ばった印象があります。しかし、草月流が提唱しているのは「個性」を尊重した自由な表現です。元来、日本人以上に幼少から個を持ち自由を求める、このスクールツアーに参加しているアメリカ・ハワイの子供たちにとっては、「和」を学ぶ上で、とても入り込みやすいもののようでした。
そして、まさに日本文化の「静」と「動」。
一転して、賑やかな和太鼓に、子供たちは大はしゃぎ。”太鼓小僧“の迫力のパフォーマンスの後、子供たちは我先にとバチを握り、太鼓をドンドンっ!と叩きました。
独特のリズムと楽しい動きに大きな笑顔がこぼれました。
その他にも、台湾の太鼓ダンスやアイヌ民謡、日本のチャンバラや、ゆるキャラ、ポリネシアの伝統文化、はたまた観光客にはお馴染みですが、現地在住の子供たちはなかなか乗る機会の無いオリオリウォーカーまで、本当に盛りだくさん。
訪れるブースでそれぞれ違った面白さを実感し楽しく学んでいました。
近くにいた子供たちに感想を聞いてみたところ、「来年も来たい!絶対来る!」と元気に答えてくれました。
普段体験出来ない異文化を存分に経験し、新たに世界を見据え、彼らは今後大きな成長を遂げていくことでしょう。ハワイの子供たちの未来に貢献するべく、ホノルル フェスティバルは毎年、毎年、その内容を工夫してエジュケーショナル・スクール・ツアーを提供したいと願います。